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2009.04.12 (Sun)

大人になれない子供

 数年前にカルロ・コッローディの『ピノッキオの冒険』を読んだら、思いがけず残酷な話だったので少し驚いた記憶がある。ピノッキオは木の人形だから「今度こそ良い子になります」と何度も反省するのになかなか良い子になれない設定だったのだが、木の人形でなくても良い子になれないのがジェームス・マシュー・バリーの作品に登場するピーター・パンなのだろうと思う。
 子供だからこその純粋さを持ち合わせている一方で、子供だからこその残酷さもきちんと持ち合わせている。
 母親を求める年頃なので、母親代わりのウェンディはとても大切にする。そこがかえってティンカー・ベルを嫉妬させてしまうのに、それがどうしてなのかがピーター自身は理解できない。(ディズニー映画では、タイガー・リリーとキスをしたことに嫉妬したウェンディの気持ちが理解できない一幕もある)フック船長の片手を切り落としてワニの餌にしてしまうというのも考えてみれば残酷だが、物語のクライマックスで丸腰のフック船長をワニの上に蹴り落とすというのは正義の味方のすることとは思えない。相手の気持ちを理解しない点といえば、ロンドンに戻って大人になるというウェンディの気持ちが理解できず、このままずっとネバー・ランドにいれば大人にならなくていいから楽しいのに、という自前の論理を絶対と信じて譲らない点もある。思ったことを思った通りにしたがるわがままな一面もあり、また、突然の悲しみに打ちひしがれてもあっというまにけろりと忘れてしまう心変わりの早い一面もある。そして、彼にとってはそれが永遠に続く。ピノッキオが人間になり、やがて成長して大人になっていかれるのとそこが違う。
 子供の視点から見たピーター・パンはヒーローかもしれないが、大人の視点からは「大人になれない不幸」を背負った子供という見方もできるだろう。
 心理学の用語にある「ピーターパン症候群(by ダン・カイリー)」というのは、こうしたピーター・パン的な性格を抱えたまま大人になった男性のことを示す用語で、その特徴は、言動が子供っぽく、人間的に未熟でナルシズムに走る傾向を持っており、無責任で反抗的で、怒りやすく、依存的で、ずるがしこく、そして価値観が世間一般のものや法律を飛び越している、という点にあるらしい。(ウィキペディアより抜粋)
 ピーターパン症候群になっている人、最近は男女問わず多いのではないかな、と感じる。
 とはいえ、ピーター・パンに欠けているのはたったひとつ、「思いやり」という優しさだけだと私は思う。相手の気持ちや立場を自分のことのように思いやれるということが、精神的にも肉体的にも「大人になる」ということだ。そしてその「思いやり」が行動に移されて世界中に広がったら、世の中はとても平和になるのだろうにね。
 私たちは誰もが、「大人になりきれない」ジレンマを抱えて生きているのではないだろうか。
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Comment

私もピーターパンになりたい!

 私もピーターパンになりたいと思ったことがあります。
 子供ならば自分のことだけを心配していればいいのですから。守るべきものが増えれば増えるほど身動きが出来なくなってゆきます。
 フックと言う映画は、ピーターパンが、永遠の子供のはずなのに、40歳の大人になって、子供を誘拐した宿敵・フック船長と再び闘うというストーリーです。
 大人になっても、子供の頃のような感動を忘れないで生きてゆきたいものです。
myth |  2009.04.13(Mon) 22:09 |  URL |  【コメント編集】

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