10月≪ 2017年11月 ≫12月

123456789101112131415161718192021222324252627282930

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  --:--  |  Top↑

2008.11.24 (Mon)

天才は大変そう

 望月諒子の『神の手』を読んで真っ先に思い浮かんだのは芥川龍之介の『地獄変』だった。これは「地獄絵図を所望された絵描きが、愛娘の焼き殺される様を見て絵を完成させた」話で、職人として仕事を完成させた絵描きは、父親として娘を死なせた重圧に押しつぶされて命を絶ってしまうというものだ。
 時には「なんでかなー?」と思うほどに、その道を極めようとする達人たちは身を削り命を削って果てていくものとして描かれるが、芥川龍之介自身がその路線上を生きた人間でもあるし、その生き様は決して架空のものではないだろう。が、「職業作家」という言葉さえあるこの時代に、こういう生き方は流行らないスタイルであるような気もする。
 なんとなく。
 『神の手』は、そういう今時ではないものを素材に組み立てられた現代風のサスペンス小説なので、タイトルや背表紙等によくある作品紹介に尻込みせず手にとってもらいたい一冊だ。内容は、三年前に突然失踪した小説家の卵と、同じく三年前に誘拐されたまま戻らない少年の行方を追跡する話。そして真実は、書くことに全力を傾けた小説家が、書くために少年を殺害したという内容。小説家は最期に「自殺」を題材とした作品を遺し、人の手を借りて崖の上から身を投げる。現実と架空の境にあるふわふわとしたものを摘み取って作品を作り続けてきた小説家は、自分自身の崩壊する足音を聞きながら、現実に生きる登場人物たちを架空の物語の中に絡めとって翻弄する魔性の存在として描かれている。
 何にせよ天才というのは、私のような平凡な人間では計り知れない苦悩を抱えて生きているのだろう。天才でなくて良かったと思う反面で、世の中に大して何事も淡泊で、なあなあに生きてきた中途半端な自分の人生を反省するこの頃であったりする。
EDIT  |  21:52  |  TB(0)  |  CM(4)  |  Top↑

Comment

ん~・・・・同感です。
でも紙一重って事もあるし、何かで天賦の才があるのだろうか・・・・
zerobase |  2008.11.25(Tue) 16:14 |  URL |  【コメント編集】

物事の視点をどこに置いてるかっ、てことなのかな?
私は様々な人の考え方、動き方が興味津々(笑)
(∂∇∂) |  2008.11.26(Wed) 14:39 |  URL |  【コメント編集】

相互リンクのお願い

はじめして。コミュニティから来ました。私はハードコンタクトレンズ関連のブログを運営しております。出来るならば相互リンクをお願いします。こちらからのリンクは完了しております。
URL:http://hardlens.blog77.fc2.com/
宜しくお願いいたします。
abc |  2008.11.26(Wed) 19:54 |  URL |  【コメント編集】

淡く色付きはじめた楓の葉の
控えめな中間色が美しいですね~。

なにかを生み出すという行為は
まったく不可思議なものです。

日々、私たちはささやかな何ものかを生み出しながら生きてる訳ですが、
実は、そんな私たちも現実と架空の境のふわふわしたところを
生きているんじゃないか、そんな気がするときがあります。
sk |  2008.11.27(Thu) 11:50 |  URL |  【コメント編集】

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 

Trackback

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。