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2008.02.11 (Mon)

神は高みより

 あの時は自分を束縛するものすべてから逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

 温泉街という響きには、どこかに古くささが残っているように思う。箱根湯本も同じだ。新しい建物も随分とあり、多くの人が集まり活気がある。けれども、所々に残る「昔のもの」たちが、そこに歴史とそれだけの重みがあることを教えてくれている。
 自然だけがあるわけでもなく、コンクリートだけに囲まれているわけでもない。多くの人を集めてなお都心の便利さから一歩距離を置いた静かさに、もしかしたら「人臭さ」を感じるのかもしれない。
 目指す場所は「湯の里おかだ」。
 箱根湯本の駅を出てすぐのお店に、「杏仁ソフト」というポスターが貼ってあった。杏仁というくらいだから、あの独特の香りがするソフトクリームなのだろう。そんなことを思いながら歩いていると、しばらくして今度は「蜂蜜ソフト」に巡り会った。うむ、これは気になる。杏仁と蜂蜜、どちらが良かろう。そんなことを思いながら少し歩いて、狭い路地を入った。
 てくてく歩く。
 地図で確認したときにはとても近くにあるように見えたのだが、歩けども歩けども辿り着く気配がない。「道を間違えたのかしら」と不安になってきた頃に、ようやく近くの橋まで辿り着く。もう少しだ、というのは大間違い。そこから更に歩いて、ようやく案内板が現れる。
 着いた、着いた!
 案内板を確認すると、進むべき方向は右。あれ、地図で確認したときは左にホテルだったような気がするのだけど?
 でも、案内板を信じよう。という判断が誤算。右を進んで途端に現れたのは心臓破りの坂道で、日頃の運動不足が祟ってヘトヘトに……。坂を登り切ったところで、やはり進むべき道は左だった。左にある「ホテルおかだ」からエレベータで「湯の里」まで行けるのだったと知って、脱力。
 ……ま、まあ汗をかいただけ温泉は格別だよ、ね?
 気を取り直して入浴。温泉はとても気持ちがよくて、ついつい長風呂をしてしまった。
 あの当時、私生活で不安なことが重なって気持ちの晴れない日々が続いていた。胸が痛い、とか、胸が苦しいというのは単なる比喩に過ぎないとずっと思っていた私だったのに、本当に苦しくて、最初は美味しそうと思って食べた食事もあまり美味しいと感じなかったり、つい愚痴っぽくなってしまったりしていた。簡単に言うなら「落ち込んでいた」わけだけど、それまでのほほんと生きていた私には表面だけ平静を装うので精一杯。この突然の非常事態に夜も眠れない有様だった。
 けれども、温泉っていいものだね。
 その日の天気は快晴。懐かしい古くささの漂う場所、露天風呂につかってぼーっとしていると、嫌なことも疲れていることもじんわり消えていく感じがして、これが温泉の癒しの効果なのかもしれないと思ったりした。
 もっとも、それからすぐに現実は戻ってきたのだが、今にして思えば、あれほど深刻に悩んだこと、とても些細なことだったように思う。

 ベット・ミドラー(Bette Midler)に“フロム・ア・ディスタンス(FROM A DISTANCE)”という曲がある。遠くの視点、神の視点から見れば景色は変わる。それは私たちの視点とははるかに違うもの。
 神はあまりにも遠い場所から私たちを眺めている。だから、私たちがどれほど憎しみ合い、銃を持って殺し合ったとしても、それはあまりにも小さなことすぎて神には見えない。私たちはすべて同じ人として、友愛に満たされているようにさえ見えるだろう。神の目に留まらないことで争うのはよそう。希望の音色を奏でよう。
 そういうことを歌ったもの。

 遠く離れたところから見れば、あの時悩んだことはとても小さなことだったのだ。遠くに離れすぎて、もう見えなくなってしまったということか。
 なるほど。思い出って、美しいわけだ。

【続き】


FROM A DISTANCE
(遠くから)

From a distance the world looks blue and green,
(遠くから見れば、この世界は青と緑に覆われている)
and the snow-capped mountains white.
(そして雪を冠した山々は白い)
From a distance the ocean meets the stream,
(遠くから見れば、海は川と出会い)
and the eagle takes to flight.
(鷲が飛び立とうとする)

From a distance, there is harmony,
(遠くから耳を傾ければ、ハーモニーが溢れている)
and it echoes through the land.
(そして、それが大陸中へこだまする)
It's the voice of hope, it's the voice of peace,
(それは希望の声、それは平和の声)
it's the voice of every man.
(それは、私たちみんなの声)

From a distance we all have enough,
(遠くから見れば、私たちは満ち足りていて)
and no one is in need.
(困窮なんてものはない)
And there are no guns, no bombs, and no disease,
(銃もなければ爆弾も、病気もない)
no hungry mouths to feed.
(飢餓だってない)
From a distance we are instruments
(遠くから見れば、私たちは楽器)
marching in a common band.
(ひとつの楽団となって行進する)
Playing songs of hope, playing songs of peace.
(希望の歌を奏でながら、平和の歌を奏でながら)
They're the songs of every man.
(私たちみんなの歌を奏でながら)

God is watching us. God is watching us.
(神様は眺めている。神様は眺めている)
God is watching us from a distance.
(私たちを神様は眺めている。遠いところから)

From a distance you look like my friend,
(遠くから見れば、私たちは友人だ)
even though we are at war.
(本当は憎しみ合っているのに)
From a distance I just cannot comprehend
(遠くから見れば、私には全く理解できなくなる)
what all this fighting is for.
(一体何のために争っているのか)
From a distance there is harmony,
(遠くから耳を傾ければ、ハーモニーが溢れている)
and it echoes through the land.
(そして、それが大陸中へこだまする)
And it's the hope of hopes, it's the love of loves,
(それは未来へつなげる希望、それは愛するものへ捧げる愛)
it's the heart of every man.
(それは私たちみんなの気持ち)

It's the hope of hopes, it's the love of loves.
(それは希望へつなげる希望、それは愛するものへ捧げる愛)
This is the song of every man.
(これは私たちみんなの歌)

And God is watching us, God is watching us,
(そう、神様は眺めている、神様は眺めている)
God is watching us from a distance.
(私たちを神様は眺めている。遠いところから。)

Oh, God is watching us, God is watching.
(そう、神様は眺めている、神様は眺めている)
God is watching us from a distance
(私たちを神様は眺めている。遠いところから。)

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Comment

こんばんは

この歌は有名なんでしょうか?
曲一つにしても自分の気に入ったジャンルなどに固執しちゃってて聴いてたかもしれなくても記憶に無いし、ましてワタクシの頭は“外国語”としてわからないまま内容を知ることない、のみだったかもしれないです。
…でも誰でも心が冷たくなってしまった時に、なんらか立ち直るキッカケがあらわれて、いつのまにか、過去、として眺められる自分に感動したりしちゃうよね。

歌に関しては私も思い出したコトあるからブログのネタにしようっと

今あったかいのは、大変だったコト乗り越えてきたご褒美なのかも!
ご褒美貰うのに必要で“また”大変!も訪れるのかもよ(笑)
やだって思わずにしっかり歩いていきたいね
(∂∇∂) |  2008.02.11(Mon) 20:36 |  URL |  【コメント編集】

息抜き

 もう3年くらい前になりますが、私もホテルおかだの日帰りプランで、湯の里&バイキングに行った事があります。
 都会から抜け出して自然の中でゆっくりと温泉に浸かれば、また違った視点で日常生活を見直すことが出来るかもしれませんね。
 息抜きは大切です。常に緊張した状態が続くと精神的に参ってしまうので、行き詰ったときは日常から脱出し、心を休めてあげることが効果的ですね(^^)
 
 
myth |  2008.02.12(Tue) 09:18 |  URL |  【コメント編集】

う~ん・・・・俺も旅にでも出るかなぁ~
バイク買おうと思ってるので、単車でさ・・・
風にふかれてってカンジでね
モヤモヤ取れるかな
zerobase |  2008.02.12(Tue) 10:02 |  URL |  【コメント編集】

お久しぶりです! 復活しました!^^

なかなか神様のようにはいきませんが、確かに見方や考え方を変えると、
今まで悩んでいたことが馬鹿みたいって思うときあります。
ただ、”振り返ってみれば・・・”なんですよね。
苦しみのその中で、次のステップへ進む試練だと思えることができれば、
人間として少しは成長できるのかなあ・・・
時雨 |  2008.02.12(Tue) 15:14 |  URL |  【コメント編集】

温泉

温泉いいですねぇ。

今わたしが悶々としていることは、いったいいつになったら小さなことになるんんでしょうか。
なんだか一生抜け出せないような気でいます。



ひろせ |  2008.02.13(Wed) 00:37 |  URL |  【コメント編集】

お久し振りです

学生の分際で逃げ出したい事が多いとか思ってる一九です。
何度逃げても、その都度向き直って生きていたいものです。
一九 |  2008.02.15(Fri) 15:05 |  URL |  【コメント編集】

温泉街の独特の雰囲気、良いですよねぇぇ↑↑
杏仁ソフトも蜂蜜ソフトも、どちらも捨てがたぁぁいっ(≧∀≦)
思い出って美しいって思える時が、
いつかくると思ったら、毎日頑張れそうな気がします☆★
まりまり |  2008.02.16(Sat) 02:10 |  URL |  【コメント編集】

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