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2011.03.15 (Tue)

外れの本

 今回の震災のことについては、たくさん思うことがありますが、しばらくこのブログには書かないようにしようと思います。今、このことで私がしなければいけないことは、祈るだけでなく、書くだけでなく、出来る精一杯の何かをすることだと思うからです。
 だから、今日からはあえて書くことについては違うことを、と思い、しばらく前から頭の中をよぎっている「本」の話をします。

 この頃、電子書籍が流行りだして、本屋で冊子になった本を買わない時代が到来しつつあるように感じます。とはいえ、最近は私もめっきり本を読まなくなり、また買わなくなりましたので、電子書籍の到来が私の生活に影響する余地は少ないでしょう。
 しかし、電子書籍文化の到来は、私がかつて好きだった「タイトル買い」を、きっと難しくすると思われます。
 おそらく、電子書籍の到来により、売れ筋の本、評価の高い本、メディアが取り上げる本は、もっとずっと簡単に手に入るようになるでしょう。けれども、本屋をぶらぶら散策して、気になったタイトルの本を手に取る機会は、今より遥かに減るに違いありません。そうすることで悲しいかな、大外れの本を手に取ってしまう楽しみも、なくなってしまうように感じるのです。
 こんな風に書いてしまうと、そもそも大外れの本なんて手に取りたくないからいいんだ、と言われてしまうかもしれません。たしかにその通りです。けれども、「タイトル買い」して大当たりの本に巡り合ったときの喜びは、人に自慢したいくらい誇らしい気持ちになれるものです。反対に大外れの本は、時にはそのひどさを誰かに伝えたくなるほど強烈なことがあります。そういう強烈さは、経験して悪いものではありません。そもそも、「タイトル買い」は知らないジャンルの作品に触れる機会を広く与えてくれるものですから、「合う」も「合わない」も等しく手にするものと言えます。
 それに、売れ筋の本、評価の高い本、メディアが取り上げる本が、必ずしも自分にとって最良の一冊とは限りません。
 気になる本は、一度は自分の書庫に入れてみたらいいのです。そして、やっぱり自身の領分ではない、と思えば、書庫から出せばいいわけです。
 例えば、恩田陸の『麦の海に沈む果実』や、村上春樹の『風の歌を聴け』は、その作品の醸し出す雰囲気が私には合わず、大江健三郎の『性的人間』や渡辺淳一の『愛の流刑地』は理解の範囲外でした。作品としての価値は別として。
 そして、作者もタイトルも忘れた一冊に、私の大外れがあります。
 強烈過ぎて作者もタイトルも忘れてしまったのです。女性社員が失敗や挫折を繰り返し、周囲から気遣いを受けながらも言い訳をついて逃げてしまう気の引けた作品で、自分はダメな人間、と自虐しながらそんな自分を正当化したり酔っているような感じが、もう、ダメ。即刻私のコレクションから退去命令を出しました。それなのに今、なぜかこの作品が頭の片隅にあって気になります。捨てていないので押入れを探せば絶対に出てきますが、探す気にはなりません。けれども、どうにも気になります。
 つまり、大外れの作品というものはそういうものなのでしょう。「タイトル買い」しない限り引かないババ、でも、そういうのがあるからやってしまうのが、「タイトル買い」という一面も、あるにはあるのです。
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Comment

本ではありませんが

映画で、大失敗したものを見たことがありました。
タイトルに心引かれ、でも、最近の映画の予告は、
上手に作られているから、騙されまいと思っていた
のですが、見事に騙されました。
タイトルも、誰が出ていたのかも忘れてしまいました。

ひよこママ |  2011.03.19(Sat) 14:55 |  URL |  【コメント編集】

ひよこママさん

ありますあります。
金返せーな、映画。
だいたい、そういうものはタイトルも全部忘れてしまいますね。
タム |  2011.03.19(Sat) 18:34 |  URL |  【コメント編集】

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